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アレンテジョのポルトガル陶器

パワジオ倶楽部では開店当時からイベリア半島の民藝に愛着を持っています。ヨーロッパ各地に陶器は存在しますが、長年いろいろ見て回っていると、スペインやポルトガルの民藝の完成度の高さを強く感じます。

写真はレドンドの旧市街
今回ご紹介するのはポルトガルの陶芸の町レドンドにあるチコ・メストレ氏の陶器。残念なことに30年もこの町へ通っていると、多くの素晴らしい陶芸家が他界してしまい、昔からある数少ない工房がチコのところになってしまいました。
レドンドの町はポルトガルでも有名な陶芸の町ですが、歴史に残る女性陶芸家が作り上げたスタイルがあり、チコはそれを守りながら活動しています。彼のナイーブな絵つけはこの昔からの伝統と関係しています。


陶芸家チコ・メストレ
レドンドの陶芸についての最新本をうれしそうに見せてくれたチコ。もちろん、入手してきました。とても狭い工房で3人の陶芸家がそれぞれの役割をしています。今回珍しく女性二人の絵付師が一緒に仕事をしていたのですが、人数が増えているようで何よりうれしく思いました。スペインでは、どこへ行っても陶芸工房のスタッフの数が減っているので。


昔のチコ。工房は昔のまま

工房内の様子
今回パワジオ倶楽部に届いたお皿は、レドンドの黄色をベースとした昔ながらのスタイルを守ったもので、数百年の間愛されているモチーフが描かれています。地域の動物や野鳥、草花が描かれていますが、子供の心のような清らかさが表現されています。


左上と右下がチコの典型的なスタイル

個人的に私はこの手に取っている器を購入したのですが、これはレドンドのスタイルではなくエストレモスのもので少し高級になります。チコは最近レドンドの陶芸だけでなく、近辺のスタイルも依頼されるようになったそう。これも伝統工房が減っている表れですが、優れた陶芸家は絶対にバトンタッチをしてくれる職人を育ててくれると信じて応援しています。



資料館で発見した昔の光景。こんな風にポルトガル南部で陶器販売がされていたのです。はっきり言ってこんな感じで市場などに行くと陶器を販売している人が今でも残っていますが、割れないように運搬するのはさぞ大変だったと思います。
一枚アンティークのレドンド焼きの器をご紹介します。きれいな豚とコメント入りの大きなお皿ですが、なんとも言えないナイーブさの中に大きな魅力を感じます。木の描き方も優れていると思いませんか。レドンド焼きは一度虜になるとずっとハマってしまうと思います。

やさしい風景と身近な動物や植物を表現しているレドンド陶器。一枚でも暮らしにあると心温まる気持ちを毎日豊かにしてくれる一品になります。不思議なパワーのある民藝は、暮らしに手放せないものだと思っています。


余談になりますが、15年くらい前にパワジオ倶楽部でも販売したマルテロという陶芸家の作品。今は資料館に展示されています。彼は最も優れた作家の一人だったので、マルテロの作品を昔購入なさった方はどうぞ大切にしてください。

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